2009年12月31日木曜日

容疑者Xの献身

学生時代に読んだ東野圭吾原作の映画。
面白映画を観たいなと思い、手に取った一作。

評判通りの面白さ。
堤真一が扮する天才数学者と、福山雅治が扮する天才物理学者の殺人事件を巡る攻防戦が楽しい。
やはり、主役に華があると見ていて気持ち良いですね。
それに、一応理系の端くれとしては彼らの天才ぶりには憧れの気持ちを抱いてしまう。

ストーリーも綿密さも、トリックの鮮やかさも、さすがは東野作品。文句なしです。
観ていて間違えなく楽しめるし、心に残る作品だと思う。

それにしても、堤と福山が登った冬山からの景色が見事に綺麗だったな。
あの山は何処なんだろうか・・・。


最高の人生の見つけ方

今年も残り数分となり、個人的に印象深かった映画を振り返りたいと思う。
まずは、「最高の人生の見つけ方」。

勤勉に働いている自動車整備士と、傲慢な病院経営者が共に余命が長くない事を告げられる。
日常生活では、決して巡り合わない2人。
だが、2人で共に闘病生活を送りながら、今まで実現せずに捨ててきた夢のチェックリストを作成する。
そして、その実現に向け世界中の旅が始まる。

無意識のうちに捨ててきた夢を実現することの喜び。
それを共にかなえることができる仲間がいることの幸せ。
そんなことを、改めて教えてくれる。

死に向かう人の最後の数週間が、また他の誰かにとっては人生の最高の一時なるかもしれないというのは、とても素敵なことだと思った。
悲しくはあるが、前向きになれる希望にあふれた作品。


2009年11月24日火曜日

東京マラソン2010[エントリー編]

東京マラソン、当選してしまいました。
一次抽選で落選していたので、油断していたら追加抽選で当選したとのメールをいただきました。

42.195キロですか。
想像するだけで息苦しくなってきます。

でも、走ります。
まさか、逃げるなんてロックでないし。
折角の貴重な機会を逃すわけにはいきません。

とりあえず、目標立てます。
前回の松島ハーフと同じく3パターンで立ててみます。

予想 :4時間40分(約6分後半/キロ)
目標 :4時間20分(約6分前半/キロ)
理想 :4時間00分(約5分後半/キロ)

予想は妥協したタイムではなく、目標に向かって走りこんで、その結果こうなるであろうというタイムです。
目標は自分の練習する上での指針とするタイムです。
理想は理想です。先を見据えて、この位のタイムで走れたら言うことないなと思い挙げてみました。

とりあえず、これからまたトレーニングの日々です。
苦しい生活の始まりです。

2009年11月14日土曜日

武甲山

少し前に奥秩父にある武甲山に行ってきました。
ルートと所要時間は以下の通り。


往路:(横瀬駅-一の鳥居)1時間20分、(一の鳥居-山頂)1時間35分
復路:(山頂-浦山駅)2時間0分
ルート:表参道-山頂-長者屋敷ノ頭

武甲山は標高は1300mぐらいで、地元にある泉ヶ岳を彷彿させます。
なかなか威厳がある山容です。




また、石灰の採取できる山として有名らしく、ふもとには秩父の石灰会社が集まっています。
環境破壊という単語を連想しますが、こういった石灰が都心のコンクリートや建築物のもととなっていると思うと何とも複雑な気分になります。




さて、登山の話です。
横瀬駅から、1時間ちょっと歩き登山道に入ります。
往路の登山道は一の鳥居からのスタートだったのですが、杉などの針葉樹林が大半を占めており、面白みにかけます。




それでも、大杉広場にあった杉には驚かされました。
化け物と形容したくなるほどの立派な杉がありました。
もはやジブリの世界の植物です。




これは山頂付近の木々です。ちらほら紅葉で彩られています。
また、山頂はそれほど標高が高くないため、たくさんの木々が生えています。




期待の山頂からの展望はガスが発生していたため、あまり見渡しがよくなかったです。




復路の長者屋敷ノ頭は奥秩父の山々を目の前にしながら歩くことができました。
とても気持ちの良いルートです。




また、紅葉も楽しむことができました。




長者屋敷ノ頭の後半は、沢沿いの道もあり、小さいですが間近で滝を見ることができました。



こんな感じの、一人登山でした。

Dave Koz×Jonathan Butler

Dave KozとJonathan Butlerのジャズライブに行ってきました。
Dave Kozは米国のサックス演奏者、Jonathan Butlerは南アフリカ出身のギタリスト兼、ヴォーカリストです。

私はジャズライブ自体初めてで、どんな感じなんだろうと多少の不安があったんだけど、楽しかった。
すぐ近くでの演奏なので、目の前で音が弾け飛んで、音が次々と溢れ出ていく感じ。
その音がとても心地よくもあり、格好良くもあり、美しくもあり。
そして、なんて言っても目の前で繰り広げられるセッションが楽しい。
あぁ、音楽って今ではレコーディングされた音が聴くのが中心だけど、本当は目の前で音が奏でられていて、その音を楽しむ行為なんだなとふと思い起こされました。

私自身ジャズをそれほど聴くわけではないので、具体的にどうすごいとかは言えないですが、とても楽しく、とても心に染み渡る演奏でした。

ライブ終了後に、Jonathanにサインいただきました。
DaveはCD買っていないのにもかかわらず、笑顔で手を差し伸べてくれ握手してくれました。

2009年10月24日土曜日

松島ハーフマラソン

先日の体育の日に松島ハーフマラソン大会に参加しました。
26年の人生で初のハーフマラソンです。

目標タイムは、こんな感じ。
予想 :1時間50分(約5分15秒/キロ)
大会目標 :1時間45分(約5分00秒/キロ)
最終目標 :1時間40分(約4分45秒/キロ)

緊張と不安を大半を占めながらも、微かな楽しみを胸に抱えながら、スタートです。
序盤はどうしてもオーバーペースになりがちになると言われているので、かなり抑制して走りました。
それでもやはり周りがハイペースなので、少々ペースが上がってしまいます。
2キロ地点でタイムは9分。

「これはまずいな。」と先が心配になります。
「でも、前半2キロは貯金ができた」と言い聞かせながら、キロ当たり4分50秒ぐらいのペースを落としながら折り返し地点を目指します。
この辺りはただペースを守ることだけを意識し、景観を楽しむ気持ちにもなれず淡々と走りました。
10キロ時点でのタイムは47分50秒ぐらい。
折り返し地点では49分40秒ぐらい。

かなり理想的なタイムでの折り返しです。
後半戦に突入してから、次第に足が重くなるのを感じます。
「でも、ここでペースを落としたらもう終わりだ。」と言い聞かせながら、必死でペースを保つよう意識を高めます。

この松島のコースでは、疲れも溜まり、ゴールもまだ見えない一番きつい13キロ付近に大きな坂があります。
ここが一番の正念場だと考えていたので、精神的に挫けないよう逆風の中を必死で登りました。
この時点から記憶がおぼろげですが、振り返るとキロ当たり4分50秒ぐらい。

もうタイムを気にする余裕も、松島の景観を目に入れる余裕もないけど、何とか17キロ地点に到着です。
ここでのタイムが1時間21分ぐらい。
ここで1時間40分を切れるペースで走っていることに気がつきます。

目の前に希望が見えます。
ただ、その先には3つの大きな坂が待ち受けているも知っています。

ここからは、もう気持ちだけです。
足も腰も腕も全身が痛かったのですが、なりふり構っている余裕はありません。
無様だろうが何だろうが、必死に走るだけです。
ラストスパートです。

結果、1時間39分10秒。

走り終えた後、一人で叫んでいました。
最高の達成感です。頑張ってよかったです。

でも、頑張れたのはたくさんの人のお陰かなとも思います。
大会前は思いもしなかったのですが、路上からの応援がすごく心強かったです。
私の父親も応援してくれ、松島の地元の方々も「がんばれ~。」って言ってくれて、あれほどに有り難い「がんばれ」は他にないなと思いました。
それから、早朝からたくさんの朝食を拵えてくれた母親の協力がなかったら、確実に途中でエネルギーが切れていました。
後は言うまでもありませんが、1年間共に頑張った兄2人。

この大会前も大会直後も、もうこんなつらい思いはしたくないから、二度とハーフマラソンに参加しないつもりでした。
でも、最近はまた走りたいなと思っています。

次はどこの大会に出ようかな。

2009年10月13日火曜日

会津駒ケ岳

10月中旬に会津駒ケ岳に行ってきました。

ルートと所要時間は以下の通りです。

往路:(滝沢口-駒の小屋)3時間30分、(駒の小屋-駒ケ岳山頂-中門岳)50分
復路:(中門岳-駒の小屋)35分、(駒の小屋-滝沢口)2時間10分
ルート:滝沢口-駒の小屋-駒ケ岳山頂-中門岳-駒の小屋-滝沢口

会津駒ケ岳はとても穏やかな山ですが、水場までの前半戦は急な登り坂が続き、思ったより厳しかったです。
写真は登りで撮ったものです。
紅葉はオレンジ色まではいかなかったですが、黄金色程度に色付いて綺麗でした。




山頂付近にある山小屋が見えると、景色が一気にひらけます。




これが私達が泊まった山小屋です。
山小屋までの道はオレンジ色に染まっており、とても綺麗でした。




また、辺りには沢山の湿原があります。




山頂を過ぎると、近くの山が間近に迫ってきて絶景でした。




こちらは会津駒ケ岳から中門岳へ続く道です。
オレンジ色の草木の中、長く、細くい道が続いていています。




この写真は、午前5時に雲の中で食した高野豆腐ラーメンです。
見た目はイマイチですが、高野豆腐にいい感じに味が染み込み、本当に美味しかった。
山に来ると何気ない食べ物が格別に美味しく味わえることができ、それも1つの醍醐味ですね。




この後、雨が降らないうちに下山しました。
下山時にすれ違った、おばさんに最高の褒め言葉をいただきました。
「あなた達、山が好きそうな顔をしているわね。」

自然の偉大さ、食の大事さ、そして人の温かみを存分に感じることができた登山でした。

2009年10月3日土曜日

男体山

遅らせばながら、シルバーウィークに奥日光の男体山に登ってきました。
快晴にも恵まれ、とても気持ちよく、楽しい山登りでした。

ここが男体山の山頂になります。
岩に剣が刺さっています。




山頂からは中禅寺湖を見おろすことができます。
とても天気が良かったので、きれいでした。




この写真は山頂から見渡せる北アルプスの山脈です。
写真では分かりづらいですが、奥の方には富士山が見えました。




下山時には、正面にある山が黄金色に色づき綺麗でした。




今週末は会津駒ケ岳に登ってきます。
楽しみで仕方ありません。

2009年9月19日土曜日

銃・病原菌・鉄

「なぜ白人はあれほどたくさんの物を持っているのに、ニューギニア人は何も持っていないのか」
「なぜ人種や大陸によりこれほど異なった経路を経て、人間は進化したのか」

その素朴の疑問に真正面から向き合った本、「銃・病原菌・鉄」。
著者は、そもそも人種による遺伝的な優劣は存在しない。
カオス的な偶然の産物も一因ではあるが、ほとんどが必然的な理由があるという考えのもと、進化の過程を考察している。

その過程のスタートラインを、アメリカ大陸に人類が居住を始めた1万3000年前とし、そこからどの大陸においてどのように食料生産を開始したのか、どのように言語を開発して技術を伝播したのか、どのように国家を形成して征服してきたのかを詳細に追っている。
果たして、その過程において地理的な要因である、大陸の形状や、他大陸との位置関係や、気候や地質はどのように人類の進歩に影響してきたのか。
思わず感心してしまう豊富な知識と、豊かの想像力により私達に説明をしてくれる。

さぁ、人類史を巡る知の旅へ出てみませんか。
目から鱗の事実を知ることができるかもしれません。


物語 フランス革命

作家の平野家一郎さんが『ウェブ人間論』という本の対談の中や、『ドーン』という作品を書いたときに、
「現代を知るための手段の1つに過去を知ることがあって、そういった意味で『葬送』というフランス革命期の小説を書いた。」
というようなことを言っていて、なるほどと思った。
歴史を知ることは過去の過ちを繰り返さないようにという話を聞いたことがあったけど、現代を知るための作業でもあるのかと。
そして、『物語 フランス革命』という本を読み、それが正しいことを確信した。

フランス革命は、私の中ではずっと気になっていたテーマだったので、この本を読みかなり解消された。
本書は、フランス革命が勃発するまでのルイ16世の業績、そしてフランス革命中の失態、恐怖政治、ナポレオンの軍人としての業績、そしてフランス国内の統治、皇帝となる戴冠式までの流れが説明されている。
それはとても分かりやすく、なおかつ、当時の熱気が伝わってくるような臨場感を感じることができる。
本のタイトルに「物語」とついているだけあって、とても読みやすく面白い構成になっている。

著者は本書の中でも、確かに恐怖政治などはなかった方が良いに決まっているが、それでもフランス革命の意義深さや歴史的な重要さを何度も説いている。
「国民主体の国家を築くべきである。全ての人間は自由であり平等である。生まれによって左右されるべきではない。」といった理念はすぐには実現できなかったが、この理念があったお陰で今の時代を築けたのだと。
私もその考えには、大いに賛同してしまう。

何年か前に読んだ『権利のための闘争』では
「たくさんの血が流れた闘争の末に、一般庶民が参政権を得ることができた。それを自覚するべきで、その権利を大切にするべきだ」というようなことを訴えていたが、今更ながらこの考えの重みに気付かされた。

政治の汚職やマスコミの下品な報道には嫌気がさすばかりだが、だからこそ読んでもらいたい一冊。


クラッシュ

「見えないアメリカ」という本の影響を受け、クラッシュという映画を見た。

ロサンジェルスを舞台とし、様々な人種間の偏見や衝突を繰り返しながら、助け合う姿を描いた作品だった。
例えば、メキシコ人と勘違いされるヒスパニック系の女性や、アラブ系だと勘違いされ敵対視されるペルシア系の店長、白人に侮辱されたからといって強盗をする黒人、黒人を軽蔑する白人、黒人に寛容な態度をとりつつ過ちを犯してしまうアイリッシュ系の白人の新米刑事。
と言ったように、実に多様な人種の人々が描かれている。

そして、どうしても拭いきれない潜在意識に近い差別意識を抱えながら暮らしているのが伝わってくる。
こういった感覚は日本人である自分には理解しがたいことだが、知っておきたい現実だなと思う。

アメリカ人が抱えている複雑な人種意識を垣間見ることができる良い作品だなと思った。
そして、後々まで考えさせらる映画でありながら、ストーリー自体も面白いのが何より良かった。


2009年9月5日土曜日

筑波山登山

奥日光の男体山行くための予行練習として、筑波山に行ってきました。
筑波山は標高900M弱にもかかわらず、日本百名山に選ばれる程の名山らしいです。

今回は、筑波山神社-御幸ヶ原コース-男体山-女体山山頂-白雲橋コース-筑波山神社と1週回るコースにしました。

登りは、当初は標高が低いから楽かなと侮っていました。
しかし、傾斜がきつかったり、大きな岩がたくさんあったりして意外に大変でした。

それでも、女体山山頂からの関東平野を一望できる景観は素晴らしかったです。
時間は1時間強しか登っていませんが、なかなかの達成感があります。



これは女体山から見た、男体山です。



下山道はたくさんの岩がひしめき合っていました。
この道はきつかったです。膝にきます。



「弁慶七戻り」という岩です。
潜るときは、ちょっとドキドキしました。



ゴールです。
下山が意外に長く、計4時間ぐらいの登山でした。


ま、こんな感じで初登山、かなり楽しかったです。
男体山に行くのが楽しみで仕方ありません。

2009年8月29日土曜日

A beautiful gree

ACIDMAN、ついにやってくれました。
新作の「A beautiful greed」が素晴らしい!

正直、前作のLIFEあたりでACIDMANはもういいかなと思っていたのですが、ジャケットに魅かれて思わず買ってしまいました。



まず、一曲目のインスト「A beautiful greed」が格好良すぎる。
大木さんの弾くピアノとバイオリンの美しい音色に、一悟の重厚なドラムが重なり合い、胸が高まります。

前半は、LOOPを彷彿させる怒涛の勢いに圧倒されます。
久々のこの感覚に嬉しくなります。
個人的には「Who are you?」の疾走感が好きです。

中盤は、ミディアムテンポ系の曲が固められています。
それでも、緩やかな「ファンタジア」や、「HUM」のようなスケール感のある曲や、「Bright & Right」のようなACIDMANならではのハネるリズムの曲等、多彩です。

そして、最後は「OVER」。
この曲は今のACIDMANだから書けた曲なんでしょうね。
最近はバラードも歌うようになったのですが、こんなに温かな曲は初めてじゃないかと思います。
それでもACIDMANらしさを失わずにいる優しく、希望に満ちた曲です。

よりシンプルになったんだけど、相変わらず深い大木さんの詩も好きですね。
ACIDMANのより広く、深化した世界が体感できます。


「A beautiful greed」のスライドショーを作ってくていた方がいました。
リンクさせていただきます。


2009年8月26日水曜日

第83回 大曲全国花火競技大会

8月22日に秋田の大曲で行われた「大曲全国花火競技大会」に行ってきました。
大曲の花火大会は「競技大会」という名前の通り、全国から選び抜かれた花火師達が競い合う大会だそうです。
私自身、今まで花火にそれほどの関心があったわけではないのですが、今回誘っていただくことができ初めて観てきました。

感想としては、本当に素晴らしい。それに尽きます。
今まで観てきた花火とは比較になりません。
圧倒的な美しさと迫力。

それまで、花火は目で観て楽しむものだと思っていました。
只、大曲の花火は違いました。
美しいのは勿論のこと、音と音楽、匂い、振動、全てを感じることができます。
鑑賞というよりは体感に近いのかなと思います。

こんなにも素晴らしい花火があるのなら是非とも毎年行きたい、強くそう思いました。
これ以上混むのは勘弁してほしいけれども、日本に生まれたのなら是非観てほしい花火大会です。


YouTubeにアップされていました「武士道」をテーマにした大会提供花火です。
この動画も素晴らしいのですが、生で観ると桁違いです。

2009年8月22日土曜日

ドーン

平野啓一郎さんの新刊、ドーン(DAWN)。
日本語にすると、夜明け。


小説の舞台は20年後のアメリカ。
情報が洪水のように流れ込み、全国民により監視を可能にしたネットワーク社会。

佐野明日人ら宇宙船「ドーン」のクルー達が、人類で始めて火星へ到着する。
しかし、アメリカの大統領選を揺るがす事件が、ドーンの中で発生する。
人類の希望であったはずのドーン、英雄であったはずの佐野明日人が大衆の好奇の的となり、様々な陰謀に利用されることになる。
情報が錯乱し、混沌とした社会の中で如何に生きていくかという真摯に向き合った作品である。

この小説におけるキーとなる考え方の1つに、分人主義という考えが提唱されている。
分人主義とは、家族や友人、会社など会う人によって、個人を分割した分人(ディヴ)が形成されると言う考え。
分人はキャラを演じるという表面的な操作ではなく、相手との共同作業により初めて形成される人格のことをいう。
よって、ある人に対しての個人とは、その人の個人全体ではなく、あくまでもその人向けの分人を指すことになる。

それの良し悪しは分からないが、様々な分人を生きることで、本来は分割不能な個人がバランスを保たれているということは現代社会においても同様だと思う。

友人と久々の再会の前に「彼の前の自分はどんな自分だったのか」と思うことや、「会社での自分は果たして本当の自分なのか」と思うことがある。
どれもキャラを演じているつもりはないが、確かに相手によって変化している自分がいる。
でも、やはり妻の前での自分、親の前での自分、兄弟の前での自分、友人の前での自分、後輩の前での自分、会社での自分、そのどれもが重要で、それがあるからこうやってバランスをとりながら生きていけて、今の自分があるのだなと思う。
この考えを読んでから、ふとそんなことを考えるようになってしまった。

小説の筋からは、大分それてしまいました。

本作は、いつの時代もそうなのかもしれないが、現代いう時代の複雑さを存分に感じさせてくれる。
だけど、それでも希望もあるし、どんなにも絶望的な状況からも再起すこともできる。
フィクションだとは分かっているが、この話を信じていたいと思えた。

今日と明日をつなぐ物語。
一筋の光を差し込んでくれる物語。

そんな物語がある限り、物語は続いていくのだと思う。

2009年8月17日月曜日

ランナーズハイ

今日は深夜のランニング。
気温も湿度も体調もいい感じであまりに気持ちよかったので、ついつい長距離を走ってしまいました。

走行距離は約13キロ。
タイムは1時間5分42秒。
1キロ当たり5分3秒。

前半はマイペースで、後半戦は気分がハイになってかなり飛ばしました。
ラスト1キロは気持ち的には4分30秒ぐらい。
(実際は5分ぐらいかかってるのでしょうが・・・。)

でも、それでも1キロ5分切れないんですね。
なかなか厳しい・・・。

だけれど、今日のランニングは今までで1番ぐらいに気持ちよかったです。
この感じでタイムを伸ばせたらなと思います。

2009年8月9日日曜日

亀有-浅草ラン

際限なく走りたいと思い、亀有から出発し、辿り着いたのは浅草の雷門。
完全な下町リレーをしてきました。距離にして11キロ、往復で22キロ。


大きな地図で見る


行きはなかなかの快走で、いつの間にやら浅草まで着いたのですが、帰りがつらかった。
何度も歩こうかと断念しそうになりましたが、震える膝を引きずって必死に走り抜けました。

これがハーフマラソンの距離なんですね。想像以上に長く、きつかったです。
それでも、夏の間にこの距離に慣れなくては。

しかし、浅草はいい町ですね。
かなり前に妻とデートしたことを思い出し、色々と思いを馳せてしまいました。
大切なかけがえのない人だなと。

2009年8月1日土曜日

ap fes '09旅行[3日目]

ap fes旅行の3日目は焼津-浜松-静岡-東京への移動でした。

浜松と言えば、鰻です。ということで、鰻をいただきました。
向かったのは兄のご友人の紹介で、「うな炭亭」というお店。

普段は外で鰻を全く食べないので、素人にも分かる美味しい鰻でした。
外はパリパリ、中はジューシー、いつまでも食べていたい味です・・・。



続いては、静岡のとろろの老舗店、「丁子屋」に向かいました。
何と1596年に創業し、浮世絵師の安藤広重が作品に残したお店です。


作品に残る老舗店だけあって、素晴らしいお店でした。とろろが美味しすぎる。
とろろに関しては、小さい頃から美味しいものを食べているのですが、このお店のとろろご飯は別格でした。
とろろだけで人は幸せになれると、思わされるぐらいのとろろご飯でした。


また、お店で販売されている浮世絵のポストカードを切らしていた代わりに、白黒の外国人向けのポストカードを頂くことができ、そんな温かな心遣いにすごく嬉しくなりました。

東京についた後は、椿屋珈琲店で水出珈琲とベリーチーズパフェみたいなものを頂きました。
椿屋、初めてでしたが私は美味しかったです。
最終日はこんな感じで、グルメツアーとなってしまいました。

3日間、何かすごく楽しい旅行で、1年間生きていける活力をもらえる旅行でした。
毎年、毎年こういうことを続けていけたらなと切に思いました。

一緒に付き合っていただいた皆様、ありがとうございました。

ap fes '09旅行[2日目-2]

さぁ、やっとap fes '09について書けます。
まずはap fesの概要について公式ホームページから引用します。

音楽プロデューサーの小林武史、Mr.Childrenの櫻井和寿を中心に結成されたBank Bandがホスト役となってゲストミュージシャンたちを迎え入れるスタイルをメインとしたライブ、環境にも体にもやさしい食べものや環境に配慮した商品の販売、環境問題をわかりやすい目線で語るトークショー、自然のなかで楽しめるワークショップなどが行われます。

上記の説明にあるようにap fesは、多くのアーティストを櫻井さん、小林さんが中心となって結成したBank Bandというバントに招き入れた、共に音楽を奏でるスタイルをとっています。

また、フェス全体としてマイ食器の持参や、ゴミの分別を促していたり、環境問題についての公演を行っていたり、環境を意識したフェスとなっています。

と言うと、最近のエコブームに乗っているように聞こえますが、ap bank自体は2003年に坂本龍一さんの発案で、小林さん、櫻井さんと共に環境問題に前向きに取り組んでいる企業を後押ししようというという理念の下に設立された市民バンクです。

そういう背景があって開催されるようになったので、すごく手作り感があり、温かみがあるフェスとなっています。
スタッフやオーディエンス同士の共存意識みたいなものを感じれるような。
つま恋という場所も暑いんだけど、緑に囲まれているお陰ですごくさわやな風が吹くので、そういった場所に行くことができるのも楽しみの1つだったりします。

前置きが長くなりすぎましたが、そんなap bank fes '09に行ってきました。
まずは、第一部の出演アーティストの方々から紹介します。

・Bank Band
・GAKU-MC
・いきものがかり
・キマグレン
・JUJU
・秦基博
・Bank Band

1曲目は中島みゆきさんのカバーの「糸」でした。

「なぜ めぐり逢うのかを 私たちは なにも知らない」
この1フレーズがあまりにも鳥肌モノでした。
あぁ、この人の声を聴きたかったのだと、泣きそうになります。

Bank Band以降は、正直普段は全く聴かないアーティストの方々ですが、思いの外盛り上がることができました。
特に「いきものがかり」と「キマグレン」は、本当に楽しかったですね。
「いきものがかり」のように自分よりも若いアーティストの演奏を聴いていると、すごくエネルギーをもらえます。自分も頑張ろうと。
それにそういうアーティストがいることに、何か嬉しくなりました。

そして、第一部の最後はBank Bandによる「煙突のある街」。
エコを意識した生活を叫ばれている一方で、過去の過ちには目を背け気味の世の中ですが、「それだけではいけない」と、本質的な問題か欠落したままだという感覚を覚えました。
きつかったけど、素晴らしい演奏でした。

次に第二部の出演アーティストの方々です。

・Bank Band
・一青窈
・倖田來未
・矢沢永吉
・Bank Band

サプライズとして、登場したのが矢沢永吉さんです。
櫻井さんの前振りがすごかったから、よほどの大物だとは思いましたが、まさかの矢沢永吉さんです。
生の矢沢さんは、本当に格好良かったです。
全ての動作が一々キメキメなのですが、その全てが格好良い。

その後のBank Bandによる「ステップ」と「沿逢」がやたら楽しかったです。
でも、だからこそ名残惜しくもありました。

そして第三部の出演アーティストの方々です。

・Mr.Children
・Bank Band with Great Artists

Mr.Childrenの満を持しての登場です。
Mr.Childrenって、楽曲とか桜井さんに目がいきがちですが、やはり素晴らしいバンドなのです。
あまりに圧巻のステージで、一瞬で過ぎ去った1時間でした。

それでも曲順は忘れましたが、「彩り」、「タカダメ」、「and I love you」は最高でしたね。
「彩り」は、私にとっては心の葛藤を浄化してくれる安定剤のような曲です。
「あぁ、初めて彩りを聴いたのもつま恋だったな」と思い返しながら、涙ぐみそうになりました。

個人的に最も鮮明に覚えているのが「and I love you」。
今まで100回以上聴いているのに、何かすごく染みわたった。全身に。
うまく言えないけど、この曲が日々の思いを全てを語ってくれた気がします。
本当に聴けてよかった。

Mr.Childrenの後は、おなじみの合唱による「to U」。

その後に打ち上げられた花火がすごく綺麗でした。
たかが花火だけど、その花火であれだけ一体感を味わえるのもap fesならではなのかと感じました。

なんか思い返すだけで、幸せな気分になるフェスでした。
櫻井さんが笑いながら何回も「心の距離が大事だから」と言っていたけれど、まさに会場全体の心の距離が近くなるのを感じさせてくれるフェスでした。

フェスでは聴くことができませんでしたけど、最近はBank Bandの「よく来たね」が心の中で流れています。

「ちょっと変わったろ?
あれから少し優しい気持ちでいれるから
うまく言えないけど
君も同じように 暮らしているとなんとなく考えてた
それがあたっていたらいい」

2009年7月27日月曜日

ap fes '09旅行[2日目-1]

私達にとってのap fes'09旅行の2日目は、ap fes'09にとっては3日目の最終日、私達にとってはap fes'09の初日でした。
何かややこしいですね。

ということで、ap fesについて触れたいのですが、その前に午前中の時間を持て余して行ってきた掛川城についてレポートします。

掛川城は山内一豊という武将が戦国時代に建設したお城だそうです。
偶然、看板を見つけて立ち寄ったお城でしたが、丘の上に威風堂々と聳え立っていて、思いの外格好良かったです。

空を見上げれば青い空、目の前には苔が生えた石畳の階段、そしてその先には掛川城。
最高に天気の中、素晴らしきロケーションにテンションが上がってしまいます。



お城自体はそれほど広くなかったのですが、最上階まで登ることができ、お城の中を手入れしているおじさんと共につま恋を見渡せたのも何かよかったです。
掛川城の石畳の階段を下りたあとは、書院造の御殿を見学してきました。
こちらもまた趣があり、いい感じでした。やっぱり木造の建物って落ち着きますね。



まぁ、掛川城はこんな感じで、思った以上に楽しめました。
次回はap fes '09の最終日です。

2009年7月26日日曜日

ap fes '09旅行[1日目]

毎年つま恋で行われるap fesに参加するついでに、静岡近辺を旅行してきました。
1日目は東京-清水間の移動だったのですが、まずは、熱海にあるMOA美術館に行ってきました。

MOA美術館といえば、尾形光琳の国宝「紅白梅図屏風」を所蔵している美術館です。



この屏風は私が生涯のうちで見てみたい芸術作品の中の1つなのですが、残念ながら2月の梅の時期しか展示されていません。
まぁ、それは予め分かっていたことなので、それ以外の作品を楽しめたらなと思い連れて行ってもらいました。

美術館では、アフリカ展というものを開催されていて、ピカソやモディリアーニやクレーといった画家の絵画と、様々な工芸品が展示されていました。
大半は理解しがたく呪われそうなものが占めていたのですが、普段見られないようなものばかりでそれはそれで楽しかったです。
例えば、奇妙な仮面や、釘でめった刺しにされた少年や、家族の絆を表現した多くの人間がへばりついた塔のようなものだったり・・・。

常設点では、レンブラントやモネの西洋画と、縄文時代から現代までの工芸品や日本画が展示されていました。

個人的に気に入ったものを2点、紹介します。

まずは、レンブランドの自画像です。
写真では少し明るくなっているのですが、実際はもう少し暗く顔だけが浮かび上がっていて実に幻想的でした。
表情や全体のトーンは怖いのですが、何といえない美しさに恍惚感を覚えます。




次に、常設点の一番奥の部屋にあった千住博さんの滝の絵です。
写真と実際に私が見た絵画は違うものですが、実際に滝の音が聞こえてきそうなぐらい、迫力がありました。
こういった圧倒的で、文句なく格好良い絵画って好きですね。



それと、MOA美術館は熱海の丘(?)の上にあるお陰で、展望が素晴らしかったです。
広場から見渡せる熱海の海は最高でした。


今度は2月に尾形光琳を見に行きたいと思います。


MOA美術館のあとはクレマチスの丘という庭園公園のようなところに行ってきました。
しかし、到着したのは17時半で、閉演が18時。
ということで、目的の庭園には入らず、近辺を散策してお暇しました。
気持ちよさそうな場所だったので、機会があったらまた行ってみたいです。

この後、清水で寿司ではなく串焼きを食し、1日目は終了です。

2009年6月29日月曜日

東京国立博物館

先日まで阿修羅展が行われていた東京国立博物館に始めて行ってきました。
阿修羅展は大盛況だったようですが、今は大きな展示会がなくゆっくりと鑑賞できました。

博物館には根津駅から歩いて行きました。途中にある東京藝術大学で写真を一枚。



手入れもあまりされてなくボロボロな建物ですけど、それが余計味わい深い。
やはり赤レンガの建物は魅力的です。

さて、東京藝術大学から歩いて5分ほどで東京国立博物館に着きました。
敷地内に入ると、真正面に壮厳な日本館が出迎えてくれます。本当に格好良いです。


こちらの日本館には狩野永徳や尾形光琳といった日本画家の素晴らしい絵画を所蔵しているのですがどちらも展示されていませんでした。
個人的によかったのが平安時代の阿弥陀来迎図。
そんなにも昔の日本絵画を見たことがなかったので、とても興味深かったです。

絵画以外にも、縄文時代の火焔土器や弥生時代の埴輪、戦国時代の刀剣などを見るとができ、面白かったです。
特に埴輪は可愛らしくて穏やかな気分にしてくれます。

日本館の左隣の如何にも明治建築らしい和洋折衷な建物は表慶館です。
現在、改装中らしく入れなかったのが残念です。



少し離れたところに上品で近代的な建物、法隆寺宝物館があります。
館内は照明が落とされ、とても静謐な空間で、深遠な気分となります。




個人的に気に入ったのが竜首水瓶。
水瓶の蓋が竜の頭となり、把手が竜のうろことなった水瓶です。
厳めしくも、上品でもあり、一目惚れしてしまいました。 家に置きたいです。


以上、簡単ですが東京国立博物館をレポートしてみました。
見応えのある日本文化を心行くまで堪能することができ、楽しかったです。

2009年6月8日月曜日

オレオレ詐欺

先日、実家へ私の名前でオレオレ詐欺の電話があったらしい。
そんな電話があっても騙されることはないとは思うのだが、私を名乗って私の肉親に話しかけるとはどういう神経なんだろうか。

考えれば考えるほど、激しい怒りを覚える。
騙してお金を取ろうという魂胆も腹立つのだが、土足どころが肉親と欺いて他人の家庭に踏み込むなんて本当に許し難い。

そういう輩をどうにかしてほしいと、切に思う。

2009年5月30日土曜日

「原因」と「結果」の法則

自己啓発本の原点といえる本。
かなり前に薦められていたのですが、やっと読むことができました。

本書は、日々の「思い」の結果が人格や環境、健康を形成する。
そして、利己的な欲望を捨て、穏やかな心でい続けることが大きな成功となる。
という考えを説いた内容となっています。

本書を斜め視線で読んでしまうと、あまり意味がありません。
人生はそれほど単純ではないだろうし、社会システムは不公平なものですし、正しく清らかな心という意味もよく分かりませんし。

でも、「何を学ぶことができるのか」と建設的な考えのもと読み進めると、とても良い本に思えます。

以下、本書より。
「私たちは、自分の心を高めることによってのみ上昇し、克服し、達成します。
そして、その努力を怠ることによってのみ、弱さ、絶望、苦悩の中に留まりつづけるのです。」

当たり前のことですが、真理だと思います。
卑屈な思いに蝕まれ、原因を社会や自らの境遇のせいにしがちな時に、本質的なことを思い起こしてくれる本です。
時々、読み返したいな思えました。

2009年5月24日日曜日

ダ・ヴィンチ・コード[映画]

ダ・ヴィンチ・コードの小説の後は映画を観ました。
正直、期待外れな結果でした。

やはり、上・中・下巻と3冊もある小説を2時間強の映像に収めるという試みは無茶があると思います。
視聴者を置き去りに、ただハイテンポで物語が進んでいきます。
この映画を原作を読まずに理解できた方は、果たしてどれ程いるんでしょう・・・。
時間の関係上、暗号もあまりに呆気なく解読してしまいます。
結局、必死に原作をなぞるだけになっていて拍子抜けです。

あとは、CGを駆使しすぎです。
舞台がパリとロンドンとバチカンなので、重厚さと美しさを兼ねそろえた壮麗な映像を期待していたのですが、観るからにCGばかりで残念です。
何かピクサー社の映画の中で、トムハンクスが必死に演技しているように観えてしまい、全く集中できませんでした。



原作が面白かっただけに、個人的には残念でした。
「天使と悪魔」は面白ければいいのですが。