僕はフランス通ともグルメ通とも程遠い存在だが、思いの外面白く読めた。
心理描写がそれほど多くないのだが、人生を食そのものに捧げた辻静雄氏の姿をただ淡々と書かれている。
そして、その辻氏の「本格的なフランス料理を広めたい」という執念のすさまじさに驚かされる。
辻氏は所謂フランス料理のパイオニアに呼ばれる存在だと思うのだが、そういった人間がならではの情熱や孤独、社会からの反発などが上手く描かれているなと思った。
我々がフランス料理を気軽に食べれるのはこの人の功績なのだと思い知らされる。
いや、高いから気軽ではないが・・・。
そして、食とは、音楽や絵画と同じく芸術なのだと実感させられる本だった。
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