2009年2月11日水曜日

お金を知る技術 殖やす技術

貯蓄から投資への流れは本当に正しいのか?
この本の著者小宮一慶氏はまずそこに問いを投げかけます。

本書において、お金を殖やす技術として主張していることは次の二点です。
1.金融を知ること。
2.ライフスタイルに応じた金融商品の活用方法を知ること。

1点目、金融を知ることについてです。
本書ではウォーレン・バフェットの格言を引用し、プロと素人が混在する金融市場においての経済・金融の基礎知識の必要性を訴えています。
その中でも、詳しく説明されているのが為替、株価、金利の仕組みです。
幾つかのケースを想定し、それぞれの数値がどのように変動し得るのかを分かりやすく説明されています。
また、株・預金・国債・商品といった金融商品ごとのリスクや景気との相関についても書かれており、勉強になりました。

2点目、ライフスタイルに応じた金融商品の活用方法を知ることについてです。
まず、個人が生涯にわたってかかるお金の見通しをつけ、「守るお金」と「攻めるお金」を切り分けて運用することが大事だと訴えています
守るお金とは、ある一定の生活水準を維持するためのお金のことを意味します。
守るお金については、預金、国債などのリスクが低く元本が保証されている金融商品での運用を推奨しています。

また、攻めるお金とは、「資金」的あるいは「時間」的に余裕があるお金のことを意味します。
攻めるお金については、時間的にリスクを取り返せる余裕があるのならば、投資信託や株式によって元本の上昇を狙った運用を、
そうではなくリスクを食い止めたい人には、配当を狙った投資信託や株式での運用を推奨しています。

もちろん、よい投資信託や株式の見分け方や運用方法についての説明もなされています。

私は、本書を通し、為替・金利の変動の仕組みが大分整理された気がします。
また、生涯のお金の運用イメージも多少見えてきた気がし、無意味に投資を勧める本よりは何倍も有益でした。

これからのお金の運用に興味がある方はご一読をお勧めします。


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