2009年2月1日日曜日

海に住む少女

フランスの詩人シュペルヴィエルによる短編集『海に住む少女』。

童話や聖書等を「人間」と「動物」の視線から、「生の世界」と「死後の世界」の視線から描いています。
どれも、すごく曖昧で不確かな物語のような気がします。

きちんとは理解できていない。
孤独で残忍な物語が多く、哀しいはずなのに、哀しみや切なさっといた気持ちがポカンッて宙に浮かんだ感じ。
少しだけ、そこはかとなく哀しい。

訳者の方が「自分が透き通ってゆくような不思議な感覚」と評していますが、それに近いのでしょうか。
不思議な読後感です。

多分、この本を読むことで、何かを得られるとか、楽しい思いができるわけではありません。
ただ、静謐で充足された時を過ごすとはできると思います。


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