この方程式はnが2よりも大きいときは整数解をもたない。
この定理を証明するまでの350年の歴史がこの一冊に凝縮されている。
いや、ピタゴラスの時代から考えると、2500年の数学にまつわるドラマが壮大に描かれている。

この本を読んで、数学とは化学や物理学より断然に美しく、完全無欠な学問だなと思わされた。
基本的に科学とはある論理から別の仮定をたて、検証を通して仮定を実現したら(反例が見付からなかったら)、その仮定を証明をしたことになると僕は思っている。
少なくとも僕が大学で学んだ有機化学は論理が後付ではあった。
そのために科学おいて、定理の誤りはしばしば存在する。
だけど、数学においてはそれが全く存在しない。完全なる論理なのだ。
紀元前に証明された定理が今も尚、厳然にそこにそびえている。
それはどんなに美しいことだろう…。
話が表題から大分それてしまった。
これは上記に書かれている定理にまつわるドラマが描かれた本だ。
それはとてもに感動的で、すごく心が満たされていく。
特にフェルマーの最終定理が証明される場面では感情の高揚が抑えきれない。
僕も多少理解できていない箇所はあるが、専門的な用語も丁寧に解説されているので文系の方も比較的読みやすいだろう。
しかし、これほど専門的で高度な内容を一般の方にも理解しやすく書いている著者の力量には思わず感心してしまう。
折角なので、この本で紹介されていたあまりにも美しい定理を1つだけ紹介したいと思う。
完全数:約数の和がその数自身と同じになる自然数のこと。
→ 常に連続した自然数の和となる。
→ 常に2つの数の積で表され、その一方は2のべき乗、
他方は次の2のべき乗から1を引いたものになる。
(例)
6:1+2+3
=1+2+3
=21*(22-1)=6
28:1+2+4+7+14
=1+2+3+4+5+6+7
=22*(23-1)=28
496:1+2+4+8+16+31+62+124+248
=1+2+3+4+5+...+30+31
=24*(25-1)=496
8128:1+2+4+8+16+32+64+127+254+508+1016+2032+4064
=1+2+3+4+5+...+126+127
=26*(27-1)=8128
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