2008年11月16日日曜日

華麗なる一族[小説]

山崎豊子著の「華麗なる一族」を読みました。

初めて山崎さんの本を読んだのですが、やっぱりこの人は凄いですね。
凄いというのは稚拙極まりない表現ですが、素直にそう感じさせられました。

この小説は悪どい頭取が主人公なんですが、題材である金融再編が全く古びていなく、むしろ金融危機に直面しているこの時代と照らし合わせて読むことができます。
そして、尋常でない取材を通して描かれた政治家・経営者は、どこまでも生々しく圧倒的な緊迫感に溢れています。

もちろん政治的な陰謀を描いただけの作品ではなく、華麗なる一族に漂う不穏な空気と、鬼気迫る心理描写は読み応え十分で、物語終盤では込み上げてくるものがあります。

文庫本で上中下巻の三部構成となっておりボリューム感がありますが、読んで損はない作品だと思います。

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