2008年7月3日木曜日

葬送.2

先日、平野啓一郎著の『葬送』をやっと読み終えました。

単行本で第一部、第二部あわせ1200ページ越え、文庫にすると全4冊の超大作です。
粗筋については前回のエントリーで軽く触れましたので、割愛させてもらいます。

この小説は、芸術家たちの「作品を生み出す苦悩」や「大革命時代をどのように生きるかという人生論」が物語の随所に描かれており、現代小説にはなかなか類がない、意欲的に古典的な文学に挑戦したように感じられました。
その代わり、小説の軸が分かりづらく読みにくいのも確かですが。

西洋史と美術史の知識がない僕には第二部を読むのには難儀しましたが、代わりに自分の興味の大いに広げてくれる一冊となりました。

しかし、これほど完成された筆致で、実際にフランスで生活し徹底的に調べ上げた知識をもって、これほどの小説を書いた著者には畏敬の念を抱かずにはいられません。
しかも、20代で書き上げたというのだから・・・、生半可の意志じゃ絶対に成し遂げられないでしょうね。


※装丁がとても綺麗です。


・葬送.1
 →http://yohheii.blogspot.com/2008/06/1.html

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