2009年9月19日土曜日

銃・病原菌・鉄

「なぜ白人はあれほどたくさんの物を持っているのに、ニューギニア人は何も持っていないのか」
「なぜ人種や大陸によりこれほど異なった経路を経て、人間は進化したのか」

その素朴の疑問に真正面から向き合った本、「銃・病原菌・鉄」。
著者は、そもそも人種による遺伝的な優劣は存在しない。
カオス的な偶然の産物も一因ではあるが、ほとんどが必然的な理由があるという考えのもと、進化の過程を考察している。

その過程のスタートラインを、アメリカ大陸に人類が居住を始めた1万3000年前とし、そこからどの大陸においてどのように食料生産を開始したのか、どのように言語を開発して技術を伝播したのか、どのように国家を形成して征服してきたのかを詳細に追っている。
果たして、その過程において地理的な要因である、大陸の形状や、他大陸との位置関係や、気候や地質はどのように人類の進歩に影響してきたのか。
思わず感心してしまう豊富な知識と、豊かの想像力により私達に説明をしてくれる。

さぁ、人類史を巡る知の旅へ出てみませんか。
目から鱗の事実を知ることができるかもしれません。


物語 フランス革命

作家の平野家一郎さんが『ウェブ人間論』という本の対談の中や、『ドーン』という作品を書いたときに、
「現代を知るための手段の1つに過去を知ることがあって、そういった意味で『葬送』というフランス革命期の小説を書いた。」
というようなことを言っていて、なるほどと思った。
歴史を知ることは過去の過ちを繰り返さないようにという話を聞いたことがあったけど、現代を知るための作業でもあるのかと。
そして、『物語 フランス革命』という本を読み、それが正しいことを確信した。

フランス革命は、私の中ではずっと気になっていたテーマだったので、この本を読みかなり解消された。
本書は、フランス革命が勃発するまでのルイ16世の業績、そしてフランス革命中の失態、恐怖政治、ナポレオンの軍人としての業績、そしてフランス国内の統治、皇帝となる戴冠式までの流れが説明されている。
それはとても分かりやすく、なおかつ、当時の熱気が伝わってくるような臨場感を感じることができる。
本のタイトルに「物語」とついているだけあって、とても読みやすく面白い構成になっている。

著者は本書の中でも、確かに恐怖政治などはなかった方が良いに決まっているが、それでもフランス革命の意義深さや歴史的な重要さを何度も説いている。
「国民主体の国家を築くべきである。全ての人間は自由であり平等である。生まれによって左右されるべきではない。」といった理念はすぐには実現できなかったが、この理念があったお陰で今の時代を築けたのだと。
私もその考えには、大いに賛同してしまう。

何年か前に読んだ『権利のための闘争』では
「たくさんの血が流れた闘争の末に、一般庶民が参政権を得ることができた。それを自覚するべきで、その権利を大切にするべきだ」というようなことを訴えていたが、今更ながらこの考えの重みに気付かされた。

政治の汚職やマスコミの下品な報道には嫌気がさすばかりだが、だからこそ読んでもらいたい一冊。


クラッシュ

「見えないアメリカ」という本の影響を受け、クラッシュという映画を見た。

ロサンジェルスを舞台とし、様々な人種間の偏見や衝突を繰り返しながら、助け合う姿を描いた作品だった。
例えば、メキシコ人と勘違いされるヒスパニック系の女性や、アラブ系だと勘違いされ敵対視されるペルシア系の店長、白人に侮辱されたからといって強盗をする黒人、黒人を軽蔑する白人、黒人に寛容な態度をとりつつ過ちを犯してしまうアイリッシュ系の白人の新米刑事。
と言ったように、実に多様な人種の人々が描かれている。

そして、どうしても拭いきれない潜在意識に近い差別意識を抱えながら暮らしているのが伝わってくる。
こういった感覚は日本人である自分には理解しがたいことだが、知っておきたい現実だなと思う。

アメリカ人が抱えている複雑な人種意識を垣間見ることができる良い作品だなと思った。
そして、後々まで考えさせらる映画でありながら、ストーリー自体も面白いのが何より良かった。


2009年9月5日土曜日

筑波山登山

奥日光の男体山行くための予行練習として、筑波山に行ってきました。
筑波山は標高900M弱にもかかわらず、日本百名山に選ばれる程の名山らしいです。

今回は、筑波山神社-御幸ヶ原コース-男体山-女体山山頂-白雲橋コース-筑波山神社と1週回るコースにしました。

登りは、当初は標高が低いから楽かなと侮っていました。
しかし、傾斜がきつかったり、大きな岩がたくさんあったりして意外に大変でした。

それでも、女体山山頂からの関東平野を一望できる景観は素晴らしかったです。
時間は1時間強しか登っていませんが、なかなかの達成感があります。



これは女体山から見た、男体山です。



下山道はたくさんの岩がひしめき合っていました。
この道はきつかったです。膝にきます。



「弁慶七戻り」という岩です。
潜るときは、ちょっとドキドキしました。



ゴールです。
下山が意外に長く、計4時間ぐらいの登山でした。


ま、こんな感じで初登山、かなり楽しかったです。
男体山に行くのが楽しみで仕方ありません。