2008年3月13日木曜日

ウェブ進化論

最近は本を増やさないための再読期間ということで、梅田望夫著の「ウェブ進化論」を読みました。
前回読んだのは2年ちょっと前だったのですが、その間にIT業界で働き始めたということと、ブログを読み書きするようになり、多少理解を深めることができたと思います。

この本はGoogle、Amazon、WEB2.0、ロングテール、ブログ、オープンソースといったWEB世界のあらゆる現象を解説し、そこから起こりうる現実世界での変革を示唆した一冊です。

これを読んでいますと、日本のWEBへの嫌悪感と心意気の低さに改めて実感させられます。
特に楽天とAmazonの戦略の違いにそのことが顕著に現れていると気付かされました。

インフラ環境が世界一と言われているのにも関わらず、それを生かす心意気がないのは非常にもった得ない気がします。
著者はこのことについて、次のように述べています。


日本の場合、インフラは世界一になったが、インターネットは善悪でいえば「悪」、清濁でいえば「濁」、可能性よりは危険のほうばかりに目を向ける。良くも悪くもネットをネットたらしめている「開放性を」著しく限定する形で、リアル社会に重きを置いた秩序を維持しようとする。

(・・・中略・・・)
米国が圧倒的に進んでいるのは、インターネットが持つ「不特定多数無限大に向けての開放性」を大前提に、その「善」の部分や「清」の部分を自動抽出するにはどうすればいいのかという視点で、(・・・中略・・・)行われているところなのだ。
(・・・中略・・・)
日本もそろそろインターネットの「開放性」を否定するのではなく前提とし、「巨大の混沌」における「善」の部分、「清」の部分、可能性を直視する時期に来ているのではないか。


非常に的確で的を射ている指摘だと思います。
ただこのことはWEBの世界に限らず、日常生活の様々な変化に通じる言葉だと思います。
僕自身、何か変化が起こるとその危険性ばかりに目が行き、その変化を生かし何ができるのかという発想が欠如しているように感じます。
著者のように新たな変化に対して楽観的な視点を持ちつつ、物事の可能性を模索するという作業は実は非常に意味があることなのかもしれません。
まぁ、言葉で言うのは簡単ですけどね・・・。

この本を再読して改めて色々なことに気付かされ勉強になりました。
決してITに明るくない方にとっても、生き方のヒントが散りばめられた良本になるのではないかと思えます。


これを機に梅田望夫氏の本を読破しようかなと思います。
とりあえず、今日は平野啓一郎氏と対談した「ウェブ人間論」を再読しています。

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