2010年3月20日土曜日

長谷川等伯展

東京国立博物館で開催中の長谷川等伯展に行ってきました。
本展示会は長谷川等伯初の大回顧展のうえに、東京では僅か25日という短期な展示会です。

と言うことで、多少の混雑は覚悟していましたが、開演の9時半前からの長蛇の列には驚きでした。
まぁ、今回ばかりはしょうが無いと待つこと15分ほどで中に入れました。

展示会は、まずは長谷川信春と名乗っていた頃に描かれていた仏画から紹介されます。
仏画の見方はよく分かりませんが、緻密さや完成度の高さには驚かされます。
画像は「三十番神図」です。



信春での名声も高まり、描かれた肖像画の1つに「千利休像」があります。
千利休の慈悲深さのようなものを感じれる気がします。



その後、豊臣秀吉の長男を弔うために描かれた「楓図壁貼付」を始めとする豪華爛漫な屏風絵が続きます。



そして、後半は水墨画の世界へ。
私が見た「竹林猿猴図屏風」の画像がないので、「枯木猿猴図」を紹介します。


アップにすると…。


枯木(私が見たのは竹林)が力強く、そしてとても自由に描かれていてすごく心地よかったです。
前に漫画家の井上雄彦さんの筆遣いが長谷川等伯のいい意味で制御していない筆遣いと似ているという話を読んだが、その言葉を思い起こされます。

そして、なんと言ってもこの猿たまりません。
本当は墨で描いた猿ではなく、屏風に毛を張付けたのではと思いたくなるほどのフワフワ感。
すごく心踊る一枚でした。


そして最後の作品は、「松林図屏風」。


松林を描くことで、松林に立ち籠める濃霧が描かれた作品です。
私には言葉にすることが出来ません。何故か泣きそうになります。

本当は少し離れた位置から、静かに長い間眺めていたかったのですが、あまりの人の多さに実現出来ませんでした。
でも、このまま終えるのもあまりに勿体無いと思い、もう一周作品を見返してから帰路につきました。

こんな感じで、かなり満足度が高く、等伯の水墨画にあまりに魅了された展示会でした。
大回顧展ではなくても、またお猿さんや松林を見れる機会があるなら、是非とも見てみたいです。

2010年3月14日日曜日

東京マラソン2010

東京マラソン2010。人生初のフルマラソン。
挑戦してきました。遅くなりましたが、報告します。

当日の天気は雨、気温は5度といった悪天候での中のスタートでした。
3万人もの参加者がいるので、スタートの30分前から整列しなければいけず、とにかく寒かったです。
スタートの号砲が鳴りスタートはするものの、スタートラインに辿り着くまでに10分ほど経過。
実況や街頭の方の応援、誰かの演奏にテンションは上がりますが、ペースを上げないように意識をしながら、ゆっくりと走りだします。

まずは、都庁前から歌舞伎町を抜けて、飯田橋方面に向かいます。
いくら走っても体が温まりません。トイレは大行列だし、皆そうだったんでしょう。
飯田橋を超えて二重橋辺りで、ついに我慢の限界です。トイレに駆けこみます。
この時点まで約10キロで、1時間15分。
スタートとトイレで大きくロスし、流石に焦りを感じます。

二重橋からは、日比谷を超えて一気に品川まで向かいます。ここから、少しペースを上げ始めます。
大門で兄からアミノバイタルを受け取り、燃料を補給しますが、またしてもトイレへ。
品川から銀座まで戻り約20キロで、2時間8分。
トイレでロスはしましたが、ペースも体の調子もよくなってきました。

銀座を抜け、浅草へ向かう25キロ付近から右脹脛に違和感を感じます。
普段は感じない痛みなので、寒さのせいにして、ペースを落とさないように気をつけます。
この付近から給食が出始め、バナナやチョコパンを補給します。
すごく美味しく感じ、今でも忘れられません・・・。
浅草で折り返し、再び銀座へ向かう途中に、兄から再びアミノバイタルを受け取りまた補給です。
銀座の手前の30キロ地点で、3時間6分。
ペースは悪くないし、体も悲鳴をあげるほどツラくなかったので少し嬉しくなります。

銀座を抜けたら、佃大橋の坂道が待ち受けていました。
この辺りから足が重く、どうしてもペースが落ち始め、記憶が朧気になり始めます。
早くゴールしたい一心で何とか駆け抜けます。
豊洲で、兄から最後のアミノバイタルを受け取ります。
高橋尚子さんを意識し、兄に帽子を投げつけてスパートの合図を出しますが、体はいうことをきいてくれません。
ゴールのお台場まで4キロほど、エネルギーを補給し脳に糖分を送り、体を前へ進めます。

そして、ついにお台場へ。
たくさんの人達が応援してくれています。
熱い感じのおじさんや、高校生らしき人達や、スタッフの方にハイタッチをしながら、ゴールへ近づいていきます。
早くゴールしたい一心だったのに、東京マラソンが終わってしまうことにほんの少し寂しさを感じました。
そして、ついにゴール。

スタートの号砲からは、4時間18分。
目標の4時間は届きませんでしたが、見事完走。

最後はタイムに関係なく、走りきれたことに只々嬉しくなります。
あの充実感、達成感、やってやった感。
マラソンを走りきれたことで初めて味わえる高揚感が確かにありました。

最高だな、マラソン。
走るって、いいな。
と、心底思えました。

大袈裟だけど東京マラソンを走りきれたことに、人生のちょっとした勲章を得ることができた気がします。
また出たいし、これからも走り続けたいです。