漫画のように薄っぺらな小説と思いきや、貢をめくる度に胸が重くなる。
情報が支配する現代社会に向けて、警鐘を鳴らした小説。
伊坂幸太郎の「モダンタイムス」。
魔王の続編である本作は現代から50年後の設定。
システムエンジニアの主人公が請け負ったサイトに、何の検索キーワードから辿り着いたかを解析するプログラムを発見してしまう。
そのキーワードとは、数年前に殺傷事件が起きた中学校の名前と、その中学とは関係性が見出せない数々の単語。
そのキーワードを打ち込んだ人間はあまりにも酷い目にあい、命を絶つ人間までが発生してしまう。
片や、キーワードの事件を機にして、のし上がったカリスマ首相も現れる。
殺傷事件の裏に潜む国家の陰謀と、それさえも作り上げてしまった社会のシステムに挑む。
今まで以上に平易な文体に、あまりに非現実的な漫画的なお話。
だけど、不穏な空気感と見事では言い切れないストーリーは、やはり魔王と似通っている。
そして、ヒシヒシと迫ってくる恐ろしさに似た危機感も。
この小説も魔王と同じく伊坂さんがどうしても伝えたかったんだろうな。
無自覚になるな。と。
この社会はとてつもなく大きなシステムで、全てを見渡している人間は誰もいない。
皆が歯車に過ぎない。たとえ、一国の首相でさえも。
それが悪いという話ではない。
ただ、歯車が噛み合った結果、何が生み出されているのかを考えなければいけない。
残念なことに、どんなにもがいても、この大きなシステムからは抜け出せない。
それが国家というものだから。
国家だけではなく、この社会も、会社もそう。
その中で、一人一人がこの社会とどう接していくかを考えなければいけない。
あまりに途方もない話ではあるけれども、順応するのか、逃げ出すのか、あるいは戦うのかを。
だけど、ここで忘れてはいけないことがある。
もっと小さな目的のために人は生きている。
それは、個人の小さな幸せ。
何か伊坂さんの気持ちを汲み取ろうと思って書いたのですが、陳腐な表現になってしまった。
ごめんなさい、伊坂さん。
この小説、素敵だなと思った言葉がたくさんあった。
その中で、個人的に何かよいなと思った台詞。
「人間は情報ではできていないのよ。血とか筋肉とか骨じゃない?」
2009年5月11日月曜日
Yesterday Was Dramatic
至高のエレクトロニカ。
アイスランド出身のバンドMúm。
電子音なのにも暖かく、懐かしい。
例えるならブリキのロボットのように。
実際には親しみがないんだけど、何故か懐かしく、暖かな気分へと誘ってくれる。
そして、どこか愛らしい。
Múmの奏でる音はそんなブリキとどこか似通っている気がする。
「I am 9 Today」という曲。
この音は、僕を安らかな気分にしてくれる。
アイスランド出身のバンドMúm。
電子音なのにも暖かく、懐かしい。
例えるならブリキのロボットのように。
実際には親しみがないんだけど、何故か懐かしく、暖かな気分へと誘ってくれる。
そして、どこか愛らしい。
Múmの奏でる音はそんなブリキとどこか似通っている気がする。
「I am 9 Today」という曲。
この音は、僕を安らかな気分にしてくれる。
2009年5月10日日曜日
水元公園ラン
共に皇居ランを行う同志が見つからなかったので、出掛けるのが億劫になってしまい水元公園を走ってきました。
水元公園はとても広々していて素敵な公園。
水辺や緑が多いので走っていてとても気持ちいいです。
あまりいい写真ではないですけど。
猫も沢山います。
ということで、本日は久々に長距離を走りました。
走行時間は1時間45分。
距離はきっと17キロぐらいかな。
LSDのつもりなので、気持ちよくゆっくりと。
それでも最後は足を踏み出すことでさえ、苦しかったです・・・。
暖かくなってきたので、気持ちよく走れる程度に頑張ります。
2009年5月9日土曜日
善き人のためのソナタ
あぁ、いい映画だったな。善き人のためのソナタ。
舞台は国民への監視を徹底的に行っていた東ドイツ。
国家保安省の局員ヴィースラーが反体制の疑いがある芸術家の私生活を監視する。
しかし、ヴィースラーは芸術家達の世界に触れていくことで、彼等に共感を覚え始めてしまう。
特に面白い話ではないけど、人の心を刻み込みながらも淡々と展開されていく物語。
丁寧に作られた映画だなと思わされる。
特に人の弱さや孤独、逆に強さや正義、その描かれ方がとても上手い。
観終わった後に残るのは、静かで心地のよい感動。そして、確かな余韻。
色々なことを考えさせられる。
国家の意義。
その中での自分自身の意義と正義感。
考えても埒が明かない。まぁ、いいか。
多くの人にお勧めしたいと思った。
ゴールデンウィークは久々にたくさんの映画を観た。
・独裁者
・ヒトラーの偽札
・カーポティ
・善き人のためのソナタ
静かな映画がいいなと思って借りたら、何故か社会派ばかり。
基本的にどれも良い作品だった。
舞台は国民への監視を徹底的に行っていた東ドイツ。
国家保安省の局員ヴィースラーが反体制の疑いがある芸術家の私生活を監視する。
しかし、ヴィースラーは芸術家達の世界に触れていくことで、彼等に共感を覚え始めてしまう。
特に面白い話ではないけど、人の心を刻み込みながらも淡々と展開されていく物語。
丁寧に作られた映画だなと思わされる。
特に人の弱さや孤独、逆に強さや正義、その描かれ方がとても上手い。
観終わった後に残るのは、静かで心地のよい感動。そして、確かな余韻。
色々なことを考えさせられる。
国家の意義。
その中での自分自身の意義と正義感。
考えても埒が明かない。まぁ、いいか。
多くの人にお勧めしたいと思った。
ゴールデンウィークは久々にたくさんの映画を観た。
・独裁者
・ヒトラーの偽札
・カーポティ
・善き人のためのソナタ
静かな映画がいいなと思って借りたら、何故か社会派ばかり。
基本的にどれも良い作品だった。
2009年5月5日火曜日
谷根千散策
最近ちょっとした人気スポットの谷根千(谷中、根津、千駄木)を散策してみました。僕の場合は、湯島、根津、千駄木だから湯根千かな。
まずは、千駄木駅の近くの須藤公園。
この公園は大して広くはないのですが、公園内に小さな滝があるのです。
何も知らずに入ったので驚きました。都心にいながら自然の音が聞けるのは嬉しい。

次に千駄木から不忍通りを南に下り、根津神社のつつじ祭り。
残念ながらつつじは既に終わりかけていたので、人の多さのわりにはイマイチでした。

根津神社を出た後は、フラフラとしながら根津駅方面へ。
このあたりは美味しそうな飲食店や趣のある建物がたくさんあり、楽しかったです。
まぁ、1人でお洒落なお店に入るのは恥ずかしかったので、お昼は豚カツにしておきました。
根津駅近くの信濃屋。1000円のわりに、美味しいロースカツを頂けました。
まずは、千駄木駅の近くの須藤公園。
この公園は大して広くはないのですが、公園内に小さな滝があるのです。
何も知らずに入ったので驚きました。都心にいながら自然の音が聞けるのは嬉しい。
次に千駄木から不忍通りを南に下り、根津神社のつつじ祭り。
残念ながらつつじは既に終わりかけていたので、人の多さのわりにはイマイチでした。
根津神社を出た後は、フラフラとしながら根津駅方面へ。
このあたりは美味しそうな飲食店や趣のある建物がたくさんあり、楽しかったです。
まぁ、1人でお洒落なお店に入るのは恥ずかしかったので、お昼は豚カツにしておきました。
根津駅近くの信濃屋。1000円のわりに、美味しいロースカツを頂けました。
独裁者
これこそが映画なんだ。素晴らしい。
映画を観てよかったなと思えた作品となかなか出会えず、あまり映画を観なくなってきたけど、チャップリンの「独裁者」は僕に映画の素晴らしさを再認識させてくれた。
見終わった後は一人で拍手喝采。これ以上にない満足感。
何がそんなによかったのかというと、まず第一に観ていて本当に楽しい。
コミカルで滑稽な演技に思わず笑ってしまい、軽快でユーモラスな展開が非常に面白い。
そして、人の心を突き刺さすメッセージ力。
これほどにもダイレクトに思いを伝えられる映画は、果たしてどのぐらいあるんだろう。
同時代を生きていた人に伝えたかったメッセージなんだろうけど、70年経った今でも全く色褪せない普遍性がある。
感動したと言えば安っぽく聞こえそうだけど、そうなのだからしょうがない。感動した。
この映画は1940年の作品。
その時代にこれだけの映画を作り上げたチャールズ・チャップリンに畏敬の念を抱かずにはいられない。
映画を観てよかったなと思えた作品となかなか出会えず、あまり映画を観なくなってきたけど、チャップリンの「独裁者」は僕に映画の素晴らしさを再認識させてくれた。
見終わった後は一人で拍手喝采。これ以上にない満足感。
何がそんなによかったのかというと、まず第一に観ていて本当に楽しい。
コミカルで滑稽な演技に思わず笑ってしまい、軽快でユーモラスな展開が非常に面白い。
そして、人の心を突き刺さすメッセージ力。
これほどにもダイレクトに思いを伝えられる映画は、果たしてどのぐらいあるんだろう。
同時代を生きていた人に伝えたかったメッセージなんだろうけど、70年経った今でも全く色褪せない普遍性がある。
感動したと言えば安っぽく聞こえそうだけど、そうなのだからしょうがない。感動した。
この映画は1940年の作品。
その時代にこれだけの映画を作り上げたチャールズ・チャップリンに畏敬の念を抱かずにはいられない。
今回はレンタルでDVDで観たので、給付金が入ったらDVDを買おうかな。
ゴールデンスランバー
伊坂幸太郎さんの作品を読んでいつも上手いなと思わされるのが、現実的にはちょっとあり得ない設定の世界に、現代社会の問題を投影させること。
そのせいか荒唐無稽な粗筋でも、とても面白く読ませながらも、社会を変えたいなと読者に思わせてくれる。その力が凄いなと思う。
彼の自分の作品の中で「小説は身体に染みこむんだ」とは言っていたけど、やはりパンクロックに近い作品が多いなと感じる。
そんなこんなで伊坂作品が大好きなんです。
前置きが長くなったが、「ゴールデンスランバー」を読んだ。
「3回読んでほしい」というインタビュー記事を読んだので、1年越しに3回読んだ。
昨年の直木賞へのノミネートは辞退はしたが、たくさんの文学賞を受賞しただけあって、面白い作品。
物語は、仙台で首相暗殺事件が起こり、国家のような大きな仕組みによって犯人役に仕立てられた青柳雅春が頑張って逃げるというお話。
ハリウッド映画よくありそうな内容。それでも、ハリウッド映画では味わえない小説の上手さを感じる。
逃げるという粗筋の中に、学生時代の閑話を挟むことで、各キャラクターを際立たせるとともに、1つの大きなうねりに集約させる構成はさすが。
思わず涙しそうになる優しさが感じさせる甲乙つけがたい結末も好きだな。
小説って文学でもあるし、文化でもあるし、娯楽でもあって、色々な要素があると思うけど、この作品は1つの小説の型としての完成形なのかなと思う。
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